少女文学演劇『雨の塔』感想2

舞台
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2021/03/21 矢咲・小津ver(03/21) 三島・都岡ver (03/21)現地観劇
2021/03/21 矢咲・小津ver(03/20) 見逃し配信観劇
2021/03/22 三島・都岡ver (03/21)矢咲・小津ver(03/21) 見逃し配信観劇

To:まだ観劇していない方
ネタバレ含むので、まずは観劇をおすすめします。

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今日は、千秋楽で現地観劇した公演を
三島・都岡ver (03/21)→矢咲・小津ver(03/21)の順で観劇。

やはり観る順番は
矢咲・小津ver → 三島・都岡ver
がいいと感じた。

矢咲・小津verの最後は小津の絶望がとても大きくて。
それをまず浴びることから、始まらなきゃいけないような気がする。

一応、矢咲・小津ver だと小津の結末は明示的には語られないけれど
さくらが死んだこと、小津が海に入ればと発言するところから
小津は結末では生きていないような気が、
初見の舞台でもしていた。

実際、結末は絶望しかなくて。

なんで矢咲は追ってくれなかったんだよ・・・・・・小津・・・・・・って気持ちでいっぱいだった。
都岡の手紙に何か救いになるものがあるんだなということも読み取れたので
きっと三島・都岡ver を観れば何かこの思いが救われるはずだと。
もしかしたら……小津も死んでないかもしれないんじゃないかと。

三島・都岡verでは小津の救済要素がある。
三島が小津の空を見て、小津の気持ちに思いをはせてくれたこと。
都岡が矢咲からの手紙を読んでくれたこと。

矢咲は、矢咲自身から見る小津にとどまっていて、
小津の絶望に気持ちをはせることが少ないと感じた。
矢咲は小津に救われることが最大の役目のように感じた。

小津が自分の母の話を都岡とする場面は都岡視点で小津の心情に沿っている。
小津が絶望して海に飛び込んだと知った上でここを聞いていると
見ている自分も小津が生きていた、あの時に
なにを考えていたのか、なにを感じていたのか
一緒に振り返っているような感覚になる。

私は以前、『ウエスト・サイド・ストーリー』を観たとき、
どんなにいい舞台でも結末がバットエンドだと、私は好きになれないと感じていた。
でも、『雨の塔』は、小津目線だとどう考えてもバットエンドに感じたけれど
小津をとても近くに感じてしまって、
絶望しているのに、
絶望で終わってしまいたくなくて、
そこで終わってしまうことがどうしようもなく引っかかって、
何とかして物語のなかにあるはずの救いを探したくなった。

何か作品を観て泣いたことはあるけれど、
ここまで引きずられた経験はないなと思う。

何度観ても、小津が最後絶望した事実は、どうしても変わらないのだけれど・・・・・・

千秋楽公演で、
「必要だって言ってよ」と小津が言ったとき、
小津の空が画面に映って
もうむり。

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