「きたない君がいちばんかわいい(3)」あいちゃんあいちゃんあいちゃん

マンガ
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「きたない君がいちばんかわいい3」
まにお(著)/百合姫コミックス

ひなが切なすぎて胸が潰れそうです……
これが百合の宿命なのか。
最後まで読んでから読み返すと「あいちゃん」の響きも変わってくる。
きたかわは読み返す面白さがある作品だなと改めて思った第3巻でした。

ネタバレありで感想。


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表紙

とうとうあいちゃんが余裕なくなってる表情に。
本編読むとわかるけれど、リスカしきれてないのよね。
タイトルの文字の書き方が毎回変化しているのですが、「かわ」の後ろでもう精神崩壊してるのよいですね。

act11

扉絵の完全に弱りきってるあいちゃん。
身体の丸め方とか素肌の見える部分とか絶妙よね。

P29
(あいちゃん…)
ここでF1と同じ構図でF4であいちゃんの吐いてる写真見せるの上手い。

P30
「あいちゃんが吐いてる姿初めて見たなぁ」
(うれしい)
とうとう目覚めてしまったひな。
ひなの笑顔ってこの漫画の中で力を持ってるので、その笑顔とともに、あいちゃんの吐いてる姿にうれしいが飛び出てきたの滅茶苦茶よかったです。

P12の「無理して行かなくていいと思うよ。あいちゃんは悪くないよ」の響きもact11最後まで読んで読み返すと変わってくるよね。

act12

P54P55
(あいちゃんが自分を傷つけるのはないだろうし…)
ここ天然なんじゃなくて、本当にひなはあいちゃんのことわかってるってことを入れるのが、ひながこの時点であいちゃんより優位に立ってることがわかる描写だなと思う。あいちゃんのこと好きだからわかるってのもよい。

(あいちゃん)
(あいちゃん)
(あいちゃん)
(前に作ってくれたお弁当美味しかったな…)
(また食べたい…)
(抱きしめられたい…)
(あいちゃん……)
もうね、あいちゃんって言いまくるのが愛しいんだわ。
相手の名前連呼するのよいよね。
ひなのあいちゃんの求め方が当初想像していたより大人しいものじゃなかったのが、いい意味で裏切られた感。

P56
(私と一番仲が良いんだってみんなに知られちゃった)
(もう隠さなくていいのに)
ひながあいちゃんの「一番」に執着してるのが漏れてていい。

電話かかってきた瞬間の、はっ、て顔がかわいい。

P57
F1でもF2でも「あいちゃん」って言って、
「っていうか一生連絡してこなくていいから」って言われた後に「落ち着いて…」ってなるのが切ないよね。
その後、結局あいちゃんも自分で自分のこと傷つけられないのがよい。

act13

扉絵のひなの表情よいな。ほどけそうなふわ感が絶妙。

下駄箱開けておしゃぶりとよだれかけ入ってて
(あいちゃんだ)
で顔赤くした後、匂い嗅ぐの最高ですね。

P68
(あいちゃんが私のこと考えて感情的になってくれてる…)
(嬉しいな)
自分のこと考えて相手が感情的になってるのが嬉しい。
わかる。めっちゃわかる。
関係が揺れてる状況だからこそ、あいちゃんから強い特別な感情が自分に向けられてることが嬉しくなったのもあると思う。

P78P79P80P81
(違…ったの……?)
(知らない人…?)
(いらない…)
(気持ち悪い…)

(…だめ…)
(あいちゃんを庇ってあげなきゃ…)

「あいちゃんは…関係ない…」

あいちゃん以外の人が自分たちの特別に足踏み込んできた時のひなの拒絶具合がよいです。
庇ってあげなきゃ、も一見あいちゃんのために見えて、「気持ち悪い」と同じF4のコマに描かれているのが、あいちゃん以外の人を排除したいひなの感情が漏れているように感じました。
そして庇い方が「あいちゃんは…関係ない…」
ひなの「あいちゃん」はね、もうわかっちゃうよね。特別って。

P84-P91
ひなの「”瀬崎さん”」であいちゃんがブチ切れるのもう切ないよね。
「呼ぶな!!」が「瀬崎さん」にかかってるのよね。
みんなの前でひなのこと叩いて、二人の特別を壊しちゃって、取り乱すほど、あいちゃんには耐えがたかった。
P87の「…ひなが…」で泣いた。
あいちゃんがひなのこと「花邑さん」って呼んだ瞬間、ひなも自分のしたことに気づくのがね。

P81F1、P83F3では左側がひな、右側があいちゃんの立ち位置だったのが、
P90では左側があいちゃん、右側がひなになってる。
舞台演出とかでもそうだけど、右側(上手)が強者で左側(下手)が弱者の構図をしっかりとってる。

P90のおわった……感。絶望感。ひきたってるよね。
そしてここから、二人の関係が逆転していくという……

act14

P110
ひなは最初上手側の舞台に上がる。
P114
「帰って」って言われて、
P114F7
上手から下手側にひながまわる。
P115
「私がずっと一緒についてあげるから…」をあえて下手側にまわった後であいちゃんに言うのがずる。
その後に散々殴られるけど、ひながあいちゃんに殴らせてる感じもする。

P120F2の「わざと」ってひながわざとあいちゃんに自分を殴らせたの方にかかっているんじゃないかと思う。

(でもこれでまたかまってくれるから)
(もうちょっとだけいいよね)
このひなを包む光が、ひなの笑顔が……歪んでて尊いです……

act15

扉絵よい……裏庭で布かぶって二人だけの秘密の契りを結ぶ……よいわ……

あいちゃんもひなの「わざと」になんとなく気が付いている様子。

P139のあいちゃんの「わたしを裏切る瞬間を」も、
P143のひなの「あいちゃんすき」も切ない……
そしてひなの「あいちゃんすき」に反応して、あいちゃんが吐くの最高。
女の子が吐くの性癖なんだけど、ひなの顔にかけちゃうのがまたよい!!
女の子の感情が液体になって相手にかけられるのよいよね。
そこにひなが「かわいい…」って口づけをする。

「あいちゃん安心して」
「あいちゃんがどんなにみんなから嫌われても私がずっと好きでいるよ」
「私だけは一生あいちゃんのそばにいてあげられるよ」
ここ、もちろんこの言葉の通り安心しての意味もあるけれど、私だけを好きになってほしい私だけを求めてほしいっていうひなの感情も漏れているのがずるいなって思う。

「大好きだよ…」
「自分勝手で わがままで 傲慢で」
「でもそんなきたないあいちゃんがいちばん好き」
そしてタイトル回収!
まさかのひな側の言葉でくるとは1巻の時には考えもしなかった……

ひなの好きに反応してあいちゃんが吐いて。
口づけをして。
きたないあいちゃんがいちばん好き。
尊い……歪みまくってて尊い……

番外編 宮園一叶の憂鬱

ここでまさかのモブだと思ってた一叶がモブじゃなかった事件。
やが君の槙君的立ち位置かと思いきや、この子は強く関わりを持ちたい派。
あいちゃんグループ側からも干渉者が現れる構図になり、またややこしくなりそうな予感……

act0.5

P160
(苦しくて狂いそう)
(ずっと一緒って言ったのに)
(ひどいよ)
(どうして?)
(私がいるのに)
切ないよ……
ここ百合特有の胸の痛みがする。
ひなって大人しそうな見た目してるのにこういう手の描写とか心の声聞いていると、あいちゃんに対しての好きは全然大人しくないのがギャップでいい味出てると思う。

「この時間だけがわたしの癒しになるんだから…」
(本当に?)
(誰よりあいちゃんと濃厚な時間を過ごせるのは私だけ?)
(あいちゃんを満たせるのは私しかいない?)
(信じていいんだよね)
ひなはやっぱりあいちゃんが自分「だけ」を愛してくれるのを求めてるのがいいよね。
この執着の深さが愛しい。


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