「踊り場にスカートが鳴る(1)」百合×競技ダンスの超期待株

マンガ
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『踊り場にスカートが鳴る(1)』うたたね游(著)/百合姫コミックス

今、期待大で見守っている百合マンガ『踊り場にスカートが鳴る』の感想。

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百合×競技ダンスの時点で素材期待点がまず高い!

ペアを組む特質があるものと百合の相性がまずいいですよね。
「付き合う」とはまた違う「ペア」という関係のなかでしか描けない百合を期待しています。
そして女の子が踊る姿は絶対美しいに決まってる。
マンガの特質を生かした題材でもあると思います。
髪やスカートのなびき方も綺麗なので、見ていて癒される……

自分のなりたい自分になろうとする主人公に共感できる

「自分に似合う役ではなくてパートナー(女役)が踊りたい」というのが主人公ききのテーマの一つとして描かれているのですが、なりたい自分になるために戦ってる女の子は共感を呼ぶキャラクターなのではないでしょうか。

止まるような時間の描写が上手い

会話劇を次々に繰り出すテンポの良さだったり、アクションのスピード感だったり、作者ごとに得意な時間の描写があると思うのですが、この漫画は止まるような時間の描写が特に上手いと感じました。
P15-P18のききと紫苑のペア解消の会話が印象に残っています。
特に、P15F4の紫苑の後ろ姿が好きです。
ここで紫苑の表情見せないのもずるいですよね。
たい焼きとか台詞のつくりもしっかりしているので、きき目線で見ると突然言い渡された感が刺さって、紫苑目線で見ると切ない構造をしていていいと思います。

女の子が女の子に送る視線が切ない……

1巻1番のお気に入りシーンは第3話の紫苑のききに対する目線の描写です。
ききのことを考えて紫苑はペアを解消したけれど、その後もききに目線を送り続けて遠くからききの踊る姿を見ています。この遠くから見ている彼女の姿が切なかった。このあたり百合の醍醐味ですよね……
P106F3で「きき…」のセリフが絵の中に入れられていて、このままでもいいとは思うのですが、P103-P106の紫苑の目線、表情、後ろ姿がとても上手く描写されていて、ここを生かしたいので、P106F4を枠なしでつくって「きき…」の台詞だけのコマで終わらせた方が絵と台詞両方が際立ってかつ余韻も出たかなとも思いました。

台詞なしでちゃんと魅せられる画力がすごい

P37-P39、P168-P171のダンスシーンは二人が踊ってるだけで会話は一切ないのですが、競技ダンスの魅力、百合で競技ダンスを描く魅力がちゃんと伝わってきました。
楽しさ、やわらかさ、なにか運命的なものを感じるペアの関係性、二人でしか描けない世界。
この先も追いたいと思わせてくれるページだったと思います。

どんどんこじれてくれ

これから大会も始まり先の展開が気になる『踊り場にスカートが鳴る』ですが、個人的には早い段階で部活内の人間関係がこじれてほしいですね。執着こその衝突が見たいです。


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