今日は表題にも書きました通り、テレビシリーズ、ロロロ、劇ス、スタァライト全時系列についてと、ロロロの神楽ひかりと大場ななは何を話したのか、劇場版特報のロゴの意味の話です。
諸注意。
今日はテレビシリーズ、ロロロ、劇スの話をします。
まだ履修していない方は、この記事読む前にスタァライトをまず浴びて下さい。
内容的に今までの記事と被る箇所もあるのですが、公開から日が立ち、新しい発見がありましたのでこの記事で今の考えをまとめたいと思います。
今日は仮説&たぶんこうだったんじゃないか劇場多めです。これが事実とは限りませんのでご了承ください。あくまで一説です。
再演が3つあると考えた根拠3つ
最初に結論から申し上げます。
スタァライト全時系列を整理した結果「スタァライトは3つの再演と言う名の「ロンド」を繰り返していたのではないか」という結論に至りました。
根拠1。ロロロ大場ななの台詞。
ロロロの大場ななは、なぜ「ロンド・ロンド・ロンド」と3回つぶやいたのでしょうか?
単に語呂がよかったからでしょうか?
「再演」と言う名の「ロンド」を3回言ったのは、「再演は3つあったから」ではないか。
今回の仮説のきっかけはここです。
根拠2。テレビシリーズの黒板の図。
テレビシリーズの第2話で先生が黒板に描いた図に以下のようなものがあります。
内側の円から「演者」「演出」「舞台」。
内側の円から外側にいくにつれて視野が広くなるということ。
これをスタァライトの物語に照らし合わせていくと、「演者」として演じ続けていたところから、テレビシリーズ12話で華恋が塔から落ちてもクレールを助けるためにまた塔に上ったフローラもいたはずと「演出」を変え、劇場版では「私にとって『舞台』って? 私だけの『舞台』って何?」に決着をつけ次の舞台へ行くという流れにピッタリはまっています。
そして重要なのは、この「演者」「演出」「舞台」が円で表現されていることです。
ロロロの「ロ」の文字のフォントや劇場版のロゴの3つの「○」と合わせて考えたとき、スタァライトという物語は3つの「ロンド」すなわち3つの「再演」が大きなステージの区切りとなって進んでいく物語といえると思います。
根拠3。劇場版特報のロゴ。
劇場版特報に映っていた植物のようにも見えるロゴ。
花のマークは華恋、星マークはひかりと推測できます。
中央に1本のまっすぐな線が、脇に3つのうねった線が生えています。
最初に花だけだったところに星が現れ2人で1つになった次に左上のうねり線、右のうねり線、星の瞬きと同じくらいに左下のうねり線が生えて、星が瞬きを終わると花と星は分離を果たしています。
劇場版の結末、スタァライトの結末で、今まで2人で1つだった華恋とひかりがそれぞれのキラめきを胸に次のステージへ進んでいったことを踏まえると、このロゴをスタァライトの時系列として見た場合、上が未来を表し、下から上に時間が流れていくようにデザインされているのではないかと考えました。
そのように考えたとき、根にも見える過去の部分に注目してみてください。
この3つのうねった線こそ「選ばなかった過去たち」すなわち「3つの再演」を表現しているのではないでしょうか。
再演を考える上での注目ポイントは「変化を含む繰り返し」
「変化を含む繰り返し」
つまり、「同じような映像だけど何か違う」場面は「再演」である可能性を考えるということです。
第1の再演「99」
第1の再演は、テレビシリーズでご存じの大場ななが第99回聖翔祭のために行った再演です。
まず、第1の再演に関わるテレビシリーズの時系列と重要な日付を整理します。
2017.4.17 99期生の演目がスタァライトになることが発表される。 ↓ 2018/3/3 第99回聖翔祭 燃える宝石のようなキラめきを浴びてしまう。 ↓ 2018/4/9 99期が2年生進学。 純那のメガネが変わるシーン。 ↓ 2018/5/14 第100回聖翔祭オーディション開始 ↓ 2018/5/25 第100回聖翔祭オーディション終了 勝者:大場なな 再演へ ↓ 2017.4.17 ⇔ 2018/5/25 大場なな第99回聖翔祭のための再演(第1の再演) 地下の木が枯れるまでの時間、第1の再演は繰り返される。 ↓ 大場なな「あれは誰?」 ↓ 2017.4.17 ↓ 2018/5/14 ひかり転校 オーディション開始 ↓ 2018/5/25 オーディション終了 勝者:神楽ひかり ↓ 2018/5/28 ひかり退学受理 ↓ 2018/12 華恋、ひかり以外の7人は鍋。 華恋はひかりを地下劇場から連れ戻しに。 華恋は約束タワーブリッジをかけ、ひかりの星を弾き、2人でポジションゼロをとる。 99組が9人で鍋を食べる写真。 ↓ 2019/3/3 第100回聖翔祭 フローラ役:華恋 クレール役:ひかり 塔の導き手:なな
TVシリーズ7話の大場ななの「彼女達は500年前にこの塔に幽閉された眠り、死にゆく罪深き女神達」という台詞から第1の再演は500年繰り返されていると推測しています。
2人でポジションゼロをとった後の華恋とひかりがどの時間に戻ったかは正確な時間が明示されていません。
第100回聖翔祭で一度、真矢がクレール役、クロディーヌがフローラ役に決まってから3カ月で配役と脚本の変更が可能とするなら、12月の鍋を食べた時間にそのまま戻って時間が進んだと解釈できます。
もし直前の変更が難しいととらえるなら、2018/5/28のひかりの退学受理より前の時間に戻って99期が華恋とひかりを除く7人で鍋を食べていた時間とはこの時点で分岐したと解釈できます。
鍋を食べている時のまひるの華恋とひかりに対する口ぶりが過去形なのと、わざわざカニハニワとミスターホワイトの紙が添えられて鍋が盛ってある感じから、後者の神楽ひかり転校前かつキャスト決定前に戻った説が今のところ私のなかでは有力です。
ここまでが、ざっと500年近くにわたるテレビシリーズの時間の話です。
第2の再演 大場「星見純那のため」&神楽「愛城華恋のため」のロンド
問題が次のロロロです。
要所要所で劇スの引用も挟みながら、時系列を整理します。
ロロロのまず重要なポイントは、大場ななが振り返っていると思われる聖翔での
2017.4.17-2019/3/3は、テレビシリーズとは別の時間軸だということです。
大場なな第2の再演の4つの根拠
(1)RONDO RONDO ROND02
キリン「お久しぶりです。大場ななさん」
(2)「繋がったの星の絆いつまでも守るよ」を大場ななが歌っている。
華恋からななにカメラが映るタイミングから、華恋が歌っている裏でななも被せて歌っていったのではなく、ななだけが歌っていたことがわかり、これはテレビシリーズとは別の「星々の絆」と推測できます。
(3)RONDO RONDO ROND03
ポジションゼロに2018.12に撮られた9人で鍋を食べる写真がカエルの写真立てに飾られていることから、この大場ななは2018.12の華恋ひかりが戻ってきた時間軸の大場ななであると推測できます。
(4)RONDO RONDO RONDO5
「ありがとう、純那ちゃん。あなたが私を救ってくれた。あなたがいてくれたから、私は何度でも繰り返すことができた」
この「何度でも繰り返すことができた」はどこにかかるのか考えると、第1の再演ではないと思うのです。なぜなら、第1の再演の目的は第99回聖翔祭であり、純那ちゃんのおかげではなく、第99回聖翔祭のキラめきが大場に再演させていたからです。
ここに、第2の再演、「大場ななによる純那のおかげでできた再演」が浮上してきます。
第2の再演は一体いつからいつまでのことなのか
ヒントは劇スにあります。
先ほど、再演を考える上での注目ポイントは「変化を含む繰り返し」と言いました。
劇スの大場ななに関わる「変化を含む繰り返し」を思い出してみてください。
そう、あの大場株式会社制作のスクリーンに映る純那です。
皆殺しのレヴュー開始直前と狩りのレヴューのスクリーンに映る純那の台詞は異なっています。
打ち上げパーティー内で監督は、本来狩りのレヴューのスクリーンに映る台詞は「今は」が3回繰り返すようになっているなど長いものだったが、尺の都合上短くなった。スクリーンに映るのは大場ななが純那の言葉で印象に残った部分を映し出している。ということをお話しており、特に再演だとは名言していませんでした。
ただ、これまでのスタァライト再演の法則にあてはめると、このシーンこそ再演を表現していると思わずにはいられないのです。
あの純那の言葉が再演だったとすると、大場ななは5/15を再演で複数回くぐってきたことになります。
なぜ、大場ななは第2の再演を起こしたのか
純那のおかげで起こったことは推測できますが、詳細はどうなのでしょう。
1つのヒントになるのが、ロロロのRONDO RONDO RONDO2だと思います。
RONDO RONDO RONDO2だけ他のRONDOシーンと違和感があると観ていて思うのは、照明の色です。他のシーンは青色に対して、RONDO RONDO RONDO2は赤。それもフローラが目を焼かれる色と同じだと感じました。
大場ななにとってのフローラって純那ですよね?
もう1つこのシーンが他と比べて違和感があるのは、RONDO RONDO RONDO2だけ純那の矢が至る所に刺さったままで、さも戦ったばかりの舞台の雰囲気を出しているところです。
RONDO RONDO RONDO2は純那のものと思われるボタンに大場ななのものと思われる上掛けが覆いかぶさるかたちで終わります。
これらの事象をまとめて私が立てた仮説は「RONDO RONDO RONDO2は2018/5/14の純那VSひかり&華恋に見せかけているが、実は2019/5/14の純那VSななの戦った後」という説です。2019/5/14の純那VSなな戦というのは狩りのレヴューのことではありません。狩りのレヴューは2019/5/15。それとは別のレヴュー、すなわち映像としては映っていない、2019/5/14に開催されてしまったオーディションが劇スとは別時間軸であるのではないかということです。
2019/5/14にオーディションが始まり、大場ななは大学進学を選ぶような醜い果実状態の純那に勝つ。しかしその勝負のつけかた自体はロロロで映っていたように純那のボタンに自分の上掛けを掛けてしまうというような、ケリをつけに行った狩りのレヴューとはかけ離れたもの。翌日2019/5/15の新国立第一劇場に向かう列車の中で純那の「今は」発言に大場ななは純那がオーディションに合格できず舞台少女ではなくなる未来を予感し、列車から降り第2の再演をしたのではないでしょうか。
また、新国立第一劇場に着く前に大場ななが列車を降りたと考える根拠はもう一つあります。劇スの電車内での大場ななと愛城華恋の会話で、「華恋ちゃんは新国立で舞台を観たことはある?」「~新国立で見るのは初めて」「私も初めて」という会話があり、大場ななのテレビシリーズの「こんなの初めて」も考慮すると、本当にななが新国立第一劇場で舞台を観るのは初めてであると考えられるからです。
大場ななにとって第二の再演の目的は純那の舞台少女としての可能性の炎が再び灯る結末であり、2019/5/15の列車の純那の台詞を変えることにあったのではないかと考えています。
ただ、悲しきことに、いくら演出を変えながら再演を繰り返しても、純那の2019/5/15の列車内の「今は」の台詞が変わらなかったのではないでしょうか。だから、ロロロであんなに大場ななはどこか虚ろな表情をし、狩りのレヴューのスクリーン映像にあの電車内の言葉がセレクトされたのではないでしょうか。
再演の果てに大場ななは9人の舞台少女の死を目撃し、このままでは全員次のステージに進めないと危機感を持ち、wi(l)d-screen baroqueの計画を練ります。
第2の再演もう1人の再演者、神楽ひかり
ただ、再演は次に進むために「きっかけ」が必要なのがスタァライトの法則。
そこで登場するのが神楽ひかりです。
ロロロのRONDO RONDO RONDO7で「待ってたよ、ひかりちゃん」と大場ななの台詞の後に神楽ひかりが登場しますが、大場なながひかりを呼び出した目的は、ひかりに第2の再演を終わらせてもらい次のステージに進むことだったのではないかと思います。
大場ななは第2の再演も第1の再演と同じように、ひかりがきっかけになり、華恋を舞台に飛び入りせずにはいられない状況をつくることを考えついたのではないでしょうか。
そして、第2の再演の最終再演回は大場ななよりも、神楽ひかりが主な再演者となって進んでいったのではないかと考えています。
その根拠となるのが、ロロロで神楽ひかりがロンドンのレヴューのメールの着信を受けるシーンです。このシーン、テレビシリーズでは全面が壁に覆われたレッスン室だったものが、ロロロでは夕日が差し込むレッスン室に変わっています。
ロロロではいくつかテレビシリーズと変わるシーンがありますが、ほとんどが大場ななに関するシーンであったのに対し、このシーンに関わるのは神楽ひかりだけです。
つまり、このシーンがロロロであえて変更されたのには、「神楽ひかりも再演している」ことを表現する意図があったのではないかということです。
では、神楽ひかりが再演する目的って何だったのでしょうか?
答えは、やはり愛城華恋にあるのではないかと思います。
舞台#2、#3の華恋の心情を思い出すと、ひかりと再会をして、ひかりと二人でスタァライトをして、隣にひかりが、みんながいる今の状況に満足している華恋は、99期がそれぞれ次のステージに進もうとしている姿に自分だけ置いて行かれてしまうような気持ちになっていました。
この状況で、2019/5/14にオーディションが開催されたら、どうなっていたと思いますか?
ロロロでやたら大場ななが華恋の心配をしている素振りがあったこと、「運命の舞台の開演です」の大場ななの台詞の際に映る華恋のレヴューの服、剣、王冠が舞台上ではなく客席に置かれてあったこと、舞台少女の死のシーンで華恋だけ階段下で倒れていたこと。
これらから推測するに、華恋は2019/5/14のオーディションに不戦敗し、舞台少女の死に向かっていたのではないでしょうか?
そして、オーディション初日のひかりの対戦相手が華恋だったため、ひかりはこの華恋の危機を知っていたのではないでしょうか。
そこで、大場ななが神楽ひかりを呼び出し、ロロロンドン会議が始まるわけです。
この会議で大場なながひかりに話した内容を妄想してみます。
(1)このままでは華恋が危ない (2)ひかりが再演して、華恋との約束タワーブリッジを破壊することで、華恋は次のステージに進める (3)「なんなのよワイルドスクリーンバロックって」や華恋の死に動揺していたことから、 wi(l)d-screen baroqueの計画や舞台少女の死については伏せたまま (4)私はやることがあるから、またあとでね。
(4)のやることに関して。大場ななは神楽ひかりの第2の再演の際、wi(l)d-screen baroqueの脚本と演出の構想を練ると同時に、狩りのレヴューで床に散らばっていた写真をポラロイドカメラでこの時に撮ったのではないかと推測しています。純那とななが一枚に収まっていた写真は、写真に写る大場と純那以外の誰かが撮ったことになりますが、再演中の大場ななが撮ったということなら、ありえるとふんでいます。
このロロロンドン会議、ロロロ最後のRONDO RONDO RONDO7「待ってたよひかりちゃん」で行われたのではなく、RONDO RONDO RONDO1「待ってたよ」で行われたのではないのかと推測しています。
最初観ていた時は前と後ろが同じ時間で繋がっていたと思っていたのですが、RONDO RONDO RONDO1、RONDO RONDO RONDO7と分け、1と7という前後関係をわざわざつけていることに意味があると思うのです。
そして、RONDO RONDO RONDO7「待ってたよひかりちゃん」は第2の再演を終えて、これから約束タワーブリッジを壊し華恋のもとから去る決意をした神楽ひかりが映っているということです。
ロロロ~劇スの時系列
ここまでの時系列を整理すると以下のようになります。
2019/5/14 映像には映っていない3年次オーディション開始 ななVS純那 なな勝利 ひかりVS華恋 華恋不戦敗 ↓ 2019/5/15 新国立第一劇場に向かうなかで純那の「今は」発言(劇ス大場スクリーン) ↓ 大場なな第2の再演 ↓ 大場ななは再演の果てに舞台少女の死を目撃 ↓ RONDO RONDO RONDO1「待ってたよ」 大場なな&神楽ひかりロロロンドン会議 ↓ 神楽ひかり第2の再演 大場ななwi(l)d-screen baroqueの準備とポラロイドカメラで純那の写真集め ↓ 2019/5/8 RONDO RONDO RONDO7「待ってたよ、ひかりちゃん」 神楽ひかりは約束タワーブリッジを破壊し華恋のもとから去る(劇ス冒頭) ひかり退学
ロロロとして映っていたあの一連の映像は、大場なな第2の再演と神楽ひかり第2の再演が混ぜられて映されていたのではないかと考えています。
第3の再演 愛城華恋「舞台」
第3の再演は、劇スで描かれた「愛城華恋にとって舞台とは」がテーマの、ひかりと出会い舞台少女になった華恋の今までを振り返る再演です。
スタァライトにおける再演の法則「変化を含む繰り返し」はこの第3の再演にも当てはまり、わくわく広場のドンドンシーンが滑り台下になっていたことや、「本当は知ってた」シーンの描写などが該当します。
「私にとって舞台はひかりちゃん」と言って一度は舞台の上で死んでしまう華恋に、ひかりは、もう一度お手紙を送って華恋の胸にキラめきを刺し、華恋が最後のセリフを言うことでスタァライトは終幕します。
劇ス単体の時系列を整理すると「遥かなるエルドラド」の上演期間が2019/5/8~2019/5/28であったことから以下のように推測しています。
2019/5/8 神楽ひかりは約束タワーブリッジを破壊し華恋のもとから去る ひかり退学 ↓ 2019/5/14 寮でオーディションが始まらないことが話題になる ↓ 2019/5/15 ワイルドスクリーンバロック開幕 ↓ 2019/5/28 ワイルドスクリーンバロック閉幕
第1の再演、第2の再演、第3の再演の全てに共通するのは、神楽ひかりがきっかけとなり、愛城華恋が動くことでスタァライトは次の舞台へ進んできたということです。
最初から全て計画していたの!? と思わずにはいられない、スタァライトのつくりこみの深さに驚くばかりです。