劇場版スタァライト感想と考察vol.2 Tに着目しながら全レヴュー振り返り

アニメ
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T(ポジションゼロ)に注目しながら、各レヴューを振り返る。
レヴューでは板上のTの破壊と新しいTをそれぞれが見つける展開になっている。
またTの表すものも各レヴューで少しずつ意味が異なっていた。

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皆殺しのレヴュー

なな VS 真矢 &クロディーヌ &純那 &まひる &双葉 &香子
ななは列車に描かれる星罪の塔のふもとのTにポジションゼロ。星罪の塔が棺のようにも見える。
再演の果てに見た自分たちの死を語る場面では9×n個のTが並んだ末に、6人の死体が映る。
9つの互い違いになったTが永遠に横並びに続き、線路のように見える。しかし、この線路は大海原に向かってひかれているのではなく、砂漠のなかを永遠に回り続ける線路。この線路の上を行く列車(塔)を降りなければ、大海原には往けないのである。
Tの勝負を永遠に繰り返すこと、砂漠のなかの線路を永遠に走り続けることは、舞台少女としての死に向かうことをここでは示している。

怨みのレヴュー

双葉 VS 香子
清水の舞台がT。デコトラで破壊。
双葉が香子に渡すバイクの鍵のキーホルダーがT。
縁切りでぶつかって、また新しい約束を結ぶ二人。
Tは新たな約束の象徴。

競演のレヴュー

ひかり VS まひる
舞台上に大きなTが裂けて、華恋に続く道を開ける。
ひかりが、まひるからもらったボタン金メダルを首にかけてミスターホワイトとスズダルキャットの持つゴールテープをきる。
他のTがわかりやすかったのでこのTは最後に気が付いたが、見つけた瞬間泣いた。
華恋のキラめきを奪わないでとひかりに嫉妬していたまひるが、今度は互いに高めあうライバルとして最後のレヴューの相手にひかりを選んび、自分とのレヴューにまじめに向き合わないひかりに怒り、本当は大嫌いだった、ずっと怖かったと感情をぶつけあい、最後には華恋への道を開けひかりの背中を押す。
聖翔での出会いを通じて育まれた結びつきや繋がりがTで表現されている。

狩りのレヴュー

純那 VS なな
純那がTに立ち、さらにT超えてななに向かって距離をつめる。
二人の写真が沈む泉がT。
二人の歩む道筋もT。
このシーンはパンフのななの言葉を思い出してしまった。
「別々の道を歩いていても私たちは同じ旅人・・・・・・だから・・・・・・さよなら。ありがとう」
T字に分かれていくと同時に、舞台少女として同じTの上を辿っていくという矛盾が尊い。
聖翔での出会い、二人の思い出、別れ、未来のめぐり逢いがTに詰まっている。

魂のレヴュー

真矢 VS クロディーヌ
真矢が板上のTにThis isしかけるが、クロディーヌによって阻止される。
クロディーヌの用意した契約書には小さくTが書かれてあるが、真矢が自分の血でデカデカとTのサイン。
Tのサインの上で、手をあわせ、永遠のライバルであることを誓う二人。
アニメで、「私は一人でもスタァだ」と言っていた真矢に「舞台の真ん中にはたった一人の場所。だけどもう孤独じゃないよ」と返したクロディーヌからさらに進化して、明日も明後日もこの勝負の続きをしようと誓い合った証にTが用いられている。

最後のセリフ

華恋 VS ひかり
スーパースタァスペクタクルのひかり、T、華恋の並びは、決起集会の不燃(青)、ツタンカーメン、可燃(赤)の並びを想起させる。
ここから、この場面ではTは棺桶を意味していたことがわかる。
一度舞台少女として死んだ華恋がTの棺に入れられ、今までの自分を燃やし、新たなアタシに生まれ変わる。
「私も、ひかりに負けたくない」と最後のセリフを言った瞬間、華恋の血の色に染まったTがあふれ出す。
東京タワーは二つに折れ、砂漠(スタァライト)の大きなTに突き刺さり、ひかりが「ポジションゼロ」。
ここは冒頭の華恋が鉄色のTを見て「ポジションゼロ」と言う場面と対比になっている。
ひかりは自らの剣で上掛けの紐を切り、列車でやってきた7人も自らの手で上掛けを空に放つ。
華恋のレヴュー服の切り裂かれた跡がT。
華恋の「二人のスタァライト」へのけじめを描きながら、「レヴュースタァライト」への大きなけじめをつけ、舞台少女として生きていくという永遠の願いを胸に、9人はそれぞれの道をはばたいていく。

板上のTを超えてレヴューの末に彼女たちが紡ぎだしたTが尊い。

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